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『ミステリと言う勿れ』


ドラマ:漫画:あらすじ:見どころ:ネタバレなし


ミステリと言う勿れ』2022年1月10日から菅田将暉主演でドラマ化されるミステリー作品。周囲から変わり者と称される仏頂面な青年、久能整(くのうととのう)が持ち前の記憶力や観察力を駆使して事件を解決へと導いていく物語だ。

今回はドラマ版・原作漫画共に注目度が非常に高い『ミステリと言う勿れ』について、紹介していく。






【あらすじ】


変わり者で彼女はおろか友達もいない大学生、久能整(菅田将暉)。自宅で趣味のカレー作りをしていると、突如刑事がやってきて近所の公園で起きた殺人事件の捜査だと話す。遺体で発見されたのは整の大学の同級生、は疑いをかけられ任意同行されてしまう。しかし事情聴取にも関わらずは飄々と警察の矛盾点を突いていき、一筋縄ではいかないと刑事たちは頭を悩ませる。



ミステリと言う勿れ』は主人公・久能整が日常生活の中で次々に起きる事件に巻き込まれ、持ち前の推理力や知識で謎の解明に導いていく所轄巻き込まれ系探偵物だ。だが、よくある探偵物と決めつけてしまうには勿体無い程、キャラクターの魅力に詰まった作品でもある。



主人公はその鋭い観察力や刑事らの雑談からそれぞれの悩みを聞き出し、それに対してアドバイスを与える。それらがあまりにも的確である為、徐々に周囲は関心を持ち始め、もはや事件とは関係ない部分で信頼を得ていく。

推理ものとして楽しめるのは勿論、の発言する雑学や気持ちの良い物言いは一種のヒーローのようにも見える。



究極の会話劇と称される程に会話が中心で進んでいくストーリーは、観るもの読む者を飽きさせない小気味いいテンポでアナタを虜にするだろう。









【登場人物:キャスト】


■久能 整(くのうととのう):菅田将暉


┗カレー作りが趣味で、天然パーマが特徴の大学生。独自の価値観を持つ変わり者で”当たり前”とされる常識に対しても疑念を抱き、思いついたらなんにでも口を挟んでしまう為「ウザい」と言われる事もしばしば。


しかし独自の視点で展開する持論は時に人の悩みを解決するアドバイスとなり、事件を解明する手段ともなる。

彼女、友達はいない。



■風呂光 聖子(ふろみつ せいこ):伊藤沙莉


┗大隣署の新人刑事。自分の立ち位置に悩んでいたが、整からのアドバイスを受けて以降、積極的に捜査へ参加していく。



池本 優人(いけもと ゆうと):尾上松也


┗巡査。既婚者。家庭の悩みがあったが、整の独自の思考に触れて以降、夫婦円満に。



青砥 成昭(あおと なりあき):筒井道隆


┗かつて冤罪事件を起こしたことがあり、左遷された経験を持つ。整と関わった事で自身の考えを改め始める。



主演はドラマ、映画への出演が絶えない超人気若手俳優の菅田将暉。アイドル的な人気もさることながら、作品毎に見せる表情の違いや演技力の高さに圧巻される名優だ。今作では飄々として掴みどころのないキャラクター、久能整を演じる。


また脇を固める俳優陣の中でも注目は、昨今人気急上昇中の伊藤沙莉。子役時代から経験を積み、すっかり大人の女性へと成長した彼女はどの役にもハマるが、どの役でも自分を出せる不思議な魅力の持ち主だ。


原作の個性豊かで憎めないキャラクター達を、名演技光る俳優陣で映像化される今作は期待に満ちている。






【原作】


田村由美:『ミステリと言う勿れ』(小学館)


本作第1話は『月刊フラワーズ』にて2017年に読み切り作品として掲載された。今作の制作にあたり作者は「舞台劇を意識した閉鎖空間で主人公がひたすら喋るだけの漫画である」と称し、これをフォーマットとして制作する事に期待と不安が混在していると語っている。

その後2018年より改めて連載を開始、2021年12月現在で既刊10巻。現在も連載中である。









【みどころ】


原作者が語るように、主人公はただひたすら喋って事件を解決へと導く。それは膨大な知識量と観察力、推理力が織りなす技なのだろう。しかし物語の主人公としては比較的珍しいタイプであるともいえる。


所轄”名探偵”といえば山奥のペンションに閉じ込められたり、無人島から帰る手段を失ったりと、事件現場そのものに入り込む作品が多い中で、『ミステリと言う勿れ』、特に第一話の構成は徹底的に第三者視点、俯瞰での推理が進行していく。


これは新たな名探偵像の一つになるのではないだろうか。さらには関係者の悩みまで解決するおせっかいぶり、またそのせいでウザがられるなどコミカルな要素も満載で、閉鎖空間でのストーリー進行であるにもかかわらず、飽きのこない小気味いい物語である。


新しい感覚のミステリー、だからこそ、『ミステリと言う勿れ』というタイトルなのでは?と思いを馳せる。






【おわりに】


原作漫画も連載中であり、本記事を書いているタイミングとしてもドラマ放送開始直前である。つまり、未完の作品。作品は完成されてこそ、評価されるべきだと考える(時折小説家っぽい事を言ってみる)が、これからが楽しみな作品として是非、ご一読・ご視聴頂きたい作品だと言えよう。








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